914 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/29 13:22
私は幼い頃、一人でいる事の多い子供でした。
実家は田舎の古い家で、周りには歳の近い子供は誰もいませんでした。
弟が一人いたのですが、まだ小さくかったので、一緒に遊ぶという感じではありませんでした。
父も母も祖父も、弟が生まれてから以前ほど私をかまってくれなくなって、少し寂しかったのだと思います。
とにかくその頃の私は、一人遊びで日々を送っていました。
私の家は古い田舎造りの家で、小さな部屋がたくさんありました。
南西の隅には納戸があり、古い道具や小物が納められていました。
その納戸に入り込んでは、仕舞ってある品々をオモチャ代わりにして遊ぶのが、当時の私の楽しみでした。
その鏡を見つけたのが何時のことだったのかはハッキリしません。
もともと手鏡だったようなのですが、私が見つけたときは枠も柄も無いむき出しの丸い鏡でした。
かなり古そうなものでしたが、サビや曇りが殆ど無く、奇麗に映りました。
そして、これもいつ頃だったのかよく憶えていないのですが、
ある時、その鏡を覗くと、私の背後に見知らぬ女の子が映っていました。
驚いて振り返りましたが、もちろん私の後ろに女の子など居ません。
どうやらその子は、鏡の中だけにいるようです。
不思議に思いましたが、怖くはありませんでした。
色白で髪の長い女の子でした。
その子は鏡に写る私の肩ごしにこっちを見て、ニッコリと笑いました。
「こんにちは」
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