469 :本当にあった怖い名無し:03/07/02 02:06
次の日、私は酷い頭痛に目覚めた。激しく嗚咽する。風邪…か?
私はふらふらしながら歯を磨いた。歯茎から血が滴った。
鏡で顔を見る。ギョッとした。
目のしたにはくっきりと墨で書いたようなクマが出来ており、顔色は真っ白。まるで…。
バイトやめようか…とも思ったが、すでに準備は夜のうちに整えている。
しかし、気がのらない。
そのとき電話が鳴った。
『おはようございます。○○旅館のものですが、神尾さんでしょうか?』
「はい。今準備して出るところです」
『わかりましたー。体調が悪いのですか?失礼ですが声が…』
「あ、すみません、寝起きなので」
『無理なさらずに。こちらについたら、まずは温泉などつかって頂いて構いませんよ。
初日はゆっくりとしててください。そこまで忙しくはありませんので』
「あ、だいじょうぶです。でも…ありがとうございます」
電話をきって家を出る。あんなに親切で優しい電話。ありがたかった。
しかし、電話をきってから今度は寒気がしてきた。ドアを開けると眩暈がした。
「と…とりあえず、旅館までつけば……」
私は通る人が振り返るほどフラフラと駅へ向かった。
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