
もしかすると、と悪い予感が頭を過り携帯を取り出して着信履歴を確認した。
予感はやっぱりだった。
朝の弟からの着信履歴が消えていた。
オトンにも電話を掛けて確認したかったが、緊急時とはいえやっぱり直接は憚られるので勤め先に電話した。
オトンも仕事中だった。
誰も何も変わったことはないということだ。
もしあの仮面爺に踊らされているとしたら、今さっき仕事中だと確認した電話内容にも何かあるかもしれない。
そう思った俺は、やはりオトンと弟の顔を見るまではここを離れるまいと、二人が仕事から帰ってくるまで実家周りの地区の掃除やゴミ拾いで時間を潰した。
家の前でうろうろしていた俺を見付けて、驚いていた。
今朝自分に電話を寄越したかを尋ねたが、応えは案の定だった。
弟の方からも何をしているのか訊かれたが、もし事の顛末をみな話してしまって弟に何かあったら困る。
オトンに会いに来たとだけ告げて後は何も言わなかった。
オトンはこっちに気付いた様子だったが、眉間にしわを寄せるだけですぐ家の中に引っ込んでしまった。
でも、俺の方はひどく安堵していた。ような気がする。
もしかするとちょっとムカついてたかも。でも、ムカつけるくらい心に余裕ができた。
何もなくて本当によかった。
栄養ドリンク飲んで徹夜警備に備えながら家の前で仁王立ちしてたら、弟が家から出てきて、家に入れてくれた。
今晩だけでも泊めてやってほしいと、オトンオカンに説得をしてくれたらしい。
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