
12月某日、嫁さんと二人で空港について一番の感想は「寒い」だった
最初、旅行だ旅行だ!と騒いでいた嫁は俺が「行き先は……」と故郷の名前を告げると、更に驚いて「だいすきー!」と言いながら飛びついてきた
忌まわしい過去がある場所なだけに、正直「行きたくない……」と言われるかもしれないと内心ビクついていたけれど杞憂に終わった
やはり祖国への想いと言うのは、強いものなんだね
その日の夜から彼女はスーパーハイテンションで旅行の支度を始めた(俺の膝の上で)
俺「今からそんなにはしゃいでたら行く前に疲れちゃうよ?」
嫁「その時は、ダーリンにだっこしてもらう!」
俺「大変だ。体を鍛えておかないと」
嫁「えへへ」
二人で初旅行、それも海外とあってワクワクが止まらない嫁さんの裏で、俺もきっちりと婚約指輪を購入
お互い、色んな意味でドキドキワクワクしながら三泊四日の旅へ向かった
空港を出るとゆっくり深呼吸して「……懐かしいにおいだよ」と嫁さん
そのまま予約していたホテルまで、町並みを見ながらゆっくり行って、夕飯食べて就寝
二日目は朝から元気MAXな嫁さんに引っ張られて観光(俺は時差ぼけで眠かった)
そして運命の三日目
俺は「行きたい所があるんだよ」と行き先を内緒にして嫁さんと電車に乗った
嫁さんの育った町は、以前詳しく聞いていたので事前に入念な下調べの上道順を頭に叩き込んでいた
電車から見える風景が段々と見覚えのあるものに変わっていって、嫁さんが無口になる
恐らくこの時点で、俺が行こうとしてる先が何処だか気づいていたに違いない
初めはその沈黙が怖かった……もしかして怒っているんじゃないかと思ったから
でも、嫁さんの故郷がいよいよ近くになると俺の腕を抱きながら
嫁「あれ!あれ!」
俺「ど、どれ?」
嫁「あそこ!わたし小さい時遊んだよ!」
大きな目をキラキラさせてそう言う嫁さん顔を見て胸を撫で下ろした
次のページへ続く
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