
嫁が言うには、取り敢えず一緒にご飯を食べましょうって事で、その後は適当に決めようと
こちらから連絡するのが遅れた負い目もあって、俺が嫁の最寄り駅である△△駅まで迎えに行きますと提案した
嫁「わたしのこと覚えてますか?見つかりますか?」
俺「良く覚えていますよ、大丈夫です」
嫁「ふふっ、わたしもです」
お互い妙にテンションが高かった
嫁さんは「ちこくは、はりせんまんです!またです」と大声でいって電話を切った
俺は、家庭の事情もあって高校入った位からバイトと弟妹の世話でアホみたいに忙しかったせいで女とデートどころか、飯を食いに行った事も殆ど無かった
彼女が出来ても忙しくて時間が取れないからすぐに別れてた
そんな訳で、殆ど初対面の女性とあっという間にデートが決まって、誘ってきた嫁にも即決した自分にもびっくりしてたんだ
今思うと、この時点で気づかないうちに意識してたのかもしれない
約束の駅で待っていると、遠くの方からこちらに向かってくる金髪を見つけた
俺がずっと視線をぶつけていたら向こうも気づいたみたいで、途端に陸上選手みたいに綺麗なフォームで爆走してきた
髪がバッサバッサしてたけどおかまいなしで走ってて思わず吹き出しそうになった
嫁「おはようございます!」
俺「おはようございます」
嫁「ごめんなさい、先かと思いましたわたし」
俺「いえ、こちらこそ。足速いんですね」
嫁「ニンジャはしりです!」
俺「なるほど」
忍者はそんな走り方しない……という言葉は飲み込んだ
息切らしながらもニコニコしてる嫁さんがとても可愛かったので
嫁さんの国籍や、フルネームを聞いたり……
歳は意外な事に嫁の方が年上だった(とは言っても二歳ほどだったけれど)
「わたしお姉さんですか」って嬉しそうだった
そして話が進むにつれて、何故日本に来たのかという話題になった時、俺は驚愕の事実を知った
なんと嫁さん、国の内戦でご両親を亡くしてたんだ
父方の家族もいなくて……お母さんのお姉さん、つまり伯母さんが日本に渡って結婚していたから頼れないかと日本に来た
所が、いざ来てみればその伯母は離婚していて日本にいなかった……
どうしようかと思っていたら、伯母さんの別れた旦那さんが見かねてオーナーをやってるアパートに住まわせてくれ、今に至るのだと
「日本語は、オーナーの奥さん(再婚した)におしえてもらいました。まだへたっぴですけど」と笑う嫁さん
俺は社会専攻だったから、外見や名前を聞いたときに何となくどの辺りの出身かは予想ついてたけど、まさか戦争に巻き込まれて天涯孤独の身とは……
それにしても、何で知り合ったばかりの俺にそんな事を話してくれたのか
思い切って聞いてみたら
嫁「あなたなら良いかなと思いました」
俺「どうしてです?」
嫁「よくわかりません、あはは」
結局、その喫茶店に五時間近くも居座ってしまったのでその後は何処に行くでもなく近くを散歩して夕方になって別れた。
別れ際に「何かあったら何時でも連絡下さい。力になります」と言って、自分の名刺を渡した。
もう既に連絡先は交換してあったけども
嫁「わぁ……きょう、mailしてもいいですか?」
俺「勿論です。是非してください」
嫁「よっしゃ!」
それから、ほぼ毎日メールするようになったとさ
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