やがて雨が降り出した。
傘を持ってきてない私は、駅まで傘なしで濡れながらいくことになった。
激しい咳が出る。
「…旅館で休みたい……」
私はびしょぬれで駅に辿りつき、切符を買った。そのとき自分の手を見て驚いた。
カサカサになっている。濡れているが肌がひび割れている。まるで老人のように。
「やばい病気か?旅館まで無事つければいいけど…」
470 :本当にあった怖い名無し:03/07/02 02:06
私は手すりにすがるようにして足を支えて階段を上った。何度も休みながら。
電車が来るまで時間があった。私はベンチに倒れるように座りこみ、苦しい息をした。
ぜー…ぜー…声が枯れている。
手足が痺れている。波のように頭痛が押し寄せる。ごほごほ!
咳をすると足元に血が散らばった。私はハンカチで口を拭った。血がベットリ。
私は霞む目でホームを見ていた。
「はやく…旅館へ…」
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